※ 本記事はYouTubeの動画撮影のために準備した原稿を簡単に編集したものです。
日経で記事で出ていた「ネット広告「クッキー離れ」広がる 10兆円市場変調も」を、素人でもわかるように、極力難しい言葉を使わないで解説しました。
その結果、結局どうなるのか、どうすべきかも考察を解説しました。
クッキー(Cookie)はネット広告の根幹技術になっています。
一方で、そのクッキー(Cookie)が「プライバシー保護」の観点から国の規制や大手ネット企業も見直しをしており、ネット広告の大転換点が今来ていると言えます。
今回、このクッキー(Cookie)がどういうもので、何が起きていて、今後どうなるのかを、初心者でも分かりやすく解説していきます!
クッキー(Cookie)とは何?
クッキーとはパソコンやスマホのブラウザに蓄積されている閲覧履歴・ログイン情報などのデータのことを指します。
ネット広告の7割がターゲティング広告というものですが、そのターゲティング広告はクッキーを使っている技術です。
ターゲティング広告は、顧客の行動履歴を元データにして、顧客の興味や関心を推測してターゲットを絞って広告配信する仕組みです。
ターゲティング広告だけで世界で10兆円の市場規模(薄型テレビと同じぐらいの市場)があります。
例えば、私が子供のおもちゃを見たら、他のサイトに行っても子供のおもちゃのバナー広告が出てくるということが起きます。
なんでそんなことができるのでしょうか?
平たく言うと、ウェブサイトを見たという行動データが広告会社に共有されているからです。
プライバシーの観点で何が問題になっているのか
自分の行動データが複数の企業間で共有されているというが気持ち悪いと感じる人も多くいます。
たとえば、閲覧データから性格の分析までできるようになっており、ここに規制をかけないといけないという流れができています。
国によって、個人からの同意取得を義務付けたりしているものの、形骸化しているのが実態です。
ブラウザ側でクッキー取得の規制が進む
Apple(ブラウザ名:Safari) + Google(ブラウザ名:Chrome) 合計で世界シェアが8割あり、2社ともクッキーを規制する方向性で動いています。
・safari
3月: ITP2.1(JavaScript発行のファーストパーティCookieは7日間で削除)
5月: ITP2.2(JavaScript発行のファーストパーティCookieは24時間で削除)
9月: ITP2.3(ローカルストレージのデータは最大7日間で削除)
・Chrome
2020年2月にアップデートを予定していて、Cross-Site Tracking(サイト横断での追跡)の何かしらの規制をすると発表しています。
クッキー離れでどんな影響が出る?今後どうなるの?
今後どうなるの?
今まで通りのCookieに頼った広告配信は弱体化せざるを得ないと考えます。
アフィリエイトやリターゲティング広告の技術的な転換が必要になっています。
日本でもアフィリエイトで数百億レベルの売り上げのある会社がありますし、メディアもアフィリエターも数多く紐づいているので社会的なインパクトはあります。
生き残る会社は?
今後生き残るためには、Cookieに頼らない技術で代替するしかありません。
例えば、クリテオ(フランスの会社はリターゲティング広告の最大手)では、cookieを使わない独自技術を開発しています。
具体的には、自社で持つ月間14億のユーザーDBを活用して分析やサイト側でもっている顧客管理データを活用することで、クッキーに頼らない広告配信の仕組みを構築しました。
日本のASP(広告代理店)にとってCookie問題は死活レベルの非常に大きな問題になりえます。
ASPはCookie依存しないかたちで何かしら打破するはずですが、メディア運営者としてはそれを待つのか、別の広告収入を作るのかを考えていく必要があります。