Webマーケティングとプログラミングどっちを学習するのがいい?
Webマーケターがプログラミングを学ぶならどの言語がおすすめなの?
Webマーケターとして活躍するためにはプログラミングを学ぶべきだろうか・・・
未経験からWebマーケターになりたい人から既にWebマーケターになっている人まで、「プログラミング」も学んだほうが、より良いキャリアになるかなと一度は考えるものですね。
または副業や転職での自分の将来を思い描いて、Webマーケティングを仕事にするか、プログラミングを仕事にするか迷っているという方もいらっしゃるでしょう。
実際に、Webマーケティングとプログラミングは実際の業務でも密接に関わっています。
スマホアプリ開発者として独立をして法人化、ベンチャー経営をしたのち、今は企業に属さないプロのWebマーケターとして仕事をしています。
本記事では、エンジニアとしてプログラミングをしていた経験と、WebマーケターとしてWebマーケティング業務をしている両方の経験から、「Webマーケティングとプログラミング」について解説をしていきたいと思います!
ヤマヒ|山口博道(ヤマグチヒロノリ)
Webマーケターサロン ヤマヒ塾の塾長・現役Webマーケター。Webメディアを運営するスタートアップ企業の元経営者。現在は企業にSEO研修・コンサルティングをしつつ、自身のサイトを運営。Webマーケティングの情報をSNSで初心者向けに発信 ▷プロフィール詳細
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Webマーケティングのためにプログラミングは学ぶ価値があるか
私は、プロのWebマーケターとして仕事をする上で、プログラミングができる必要はないが、分かっていると役に立つと考えています。
ここでは、
- プログラミングは必須ではない理由
- プログラミングがわかると良い理由
を解説していきます。
プログラミングは必須ではない3つの理由
私が「Webマーケターがプログラミングを学ぶことは必須ではない」と考える理由は以下の3つです。
- プログラミングが必要なのはWebマーケティング業務の一部分だから
- プログラミングができる人に任せたほうが効率が良いから
- 学ばなくてもプログラミングできる時代が近づいているから
それぞれ簡単に紹介してきます。
プログラミングが必要なのはWebマーケティング業務の一部分だから
Webマーケターにとってプログラミングが必須ではない理由の1つ目は
Webマーケティング業務は、商品作りから購入、そしてその先のカスタマーサクセスまでの全体の流れを作る仕事です。
メディア運営で操作性を変えたり、メルマガやSNS等で集めた顧客データを利活用するなど、プログラミングをすることで解決するものもありますが、全体からすれば一部です。
そのほんの一部の仕事を、代替する人は数多くいるため、わざわざ自分がプログラミングを学習し、記述する必要はないと考えます。
プログラミングができる人に任せたほうが効率が良いから
プログラミングだけでも非常に奥が深く、Webマーケターとしての仕事を行いながら、プログラミングを学習するのは大きな負担になります。
Webマーケティングのためにプログラミングを学ぶのは遠回りですし、すでにプログラミングを学んで習熟している人たちと協力できるコミュニケーションスキルを身につける方が効率良いと言えます。
学ばなくてもプログラミングできる時代が近づいているから
現在、プログラミング領域においてNoCode(ノーコード)と呼ばれる分野が急成長していることはご存知でしょうか。
NoCodeは、プログラミングの学習をしなくても、アプリケーションを作ることができる仕組みです。
まだその仕組みは発展途上で従来のプログラミングでできることの全てができるには遠いですが、NoCodeでの開発環境を提供するプラットフォームは複数あり、日々、改善されていくとともに、世界中で一気に普及し始めています。
わざわざ、時間をかけてプログラミング言語を学ばなくても、アプリケーションを開発できてしまう時代が近づいていると言えます。
Webマーケティングのために必要なプログラミングはNoCodeで実装できてしまうという日が来ることも、可能性としては十分にあります。
プログラミングがわかると良い3つの理由
- Webエンジニアとコミュニケーションが取りやすいから
- 簡単な作業を自分で行えることで時間短縮ができるから
- 自分の市場価値を高めることができるから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Webエンジニアとコミュニケーションが取りやすいから
プログラミングができるようになることでエンジニアの立場や背景をより一層理解したり、苦労するポイントを理解できるので、相手を気遣ったコミュニケーションができるようになります。
Webエンジニアとの円滑なコミュニケーションができることは、サイト改善において非常に役にたつスキルです。
単に人受けが良いとか、誰とでもすぐ打ち解けることができる、といったことではなく、技術を理解しているからこそ業務のやり取りで、無茶な負荷をかけたりすることなく、コミュニケーションすることができます。
簡単な作業を自分で行えることで時間短縮ができるから
簡単な改善作業や過去の利用データの吐き出しなど、忙しいWebエンジニアの作業時間を奪うほどでもないけど、Webエンジニアに依頼しないとできないことはあります。
自分で簡単なプログラミング作業ができることで、自分の時間もエンジニアの時間も負担を減らすことができます。
ただし、サイトの規模が大きくなると、トラブルを回避するためそもそもWebマーケターがサービスに触れるということができない企業もあります。
市場価値が高い人材になれる
よくデータサイエンティストという言葉が使われますが、ビックデータを掘り下げて現状を把握したり、実行可能な改善施策に落とし込んだりといった形で、Webマーケティングにおいてもビックデータに触れる機会が、今後増えていきます。
そういった環境の中で、Webマーケティングとプログラミングの両方ができる人材は希少性が高く、市場価値も高いといえます。
Webマーケティング担当者が学ぶと良いプログラミングスキル【オススメ順】
次に、Webマーケティング担当者が学ぶと良いプログラミングスキルをおすすめ順にご紹介していきます。
- 必須レベル
- あれば良いレベル
- できると活躍の幅が広がるレベル
この3段階に分けて解説をしていきます。
必須レベルのプログラミングスキル
HTML
必須レベルといえるプログラミングスキルはHTMLです。
- 綺麗な構文で文章を書く
- 必要によってタグを使い分ける
- 整理された見栄えにする
といったSEOを意識した文章を作るためにも、Webマーケターとしては抑えておくべき言語と言えます。
どんな言語なのか
HTMLはChromeやSafariなどのブラウザでサイトを表示さるための言語です。
プログラミングというと難しく聞こえてしまうかもしれないですが、HTMLは難易度が非常に低い言語と言えます。
HTMLは言語を動かすための開発環境なども必要ないですし、書き方を間違えてエラーになっても表示が崩れるだけですし、表示がうまくいない部分が間違ったとすぐにわかります。
ブログ・オウンドメディア運営で必須
ブログ運営は、多くの場合、ワードプレスをはじめとするCMS(コンテンツマネジメントシステム)を導入していますね。
ワードプレスであれば、テキストモードで記述するとHTMLも記入することができるようになっています。
Webマーケターとしてブログを使ったコンテンツマーケティングを行うためにも、覚えて損はありません。
どうやって学ぶのが良いか
ブログを書く際にHTMLで綺麗な構造の文章を作ることを意識してHTMLを書くようにするだけでもスキルアップできます。
書籍で学ぶ
一気に体系的に学んでしまいたい人は簡単な本を1冊終わらせてもいいでしょう。
通勤時間中に読み進めて休憩時間や終業後に実践するなど、書籍ならではの学習の進め方ができます。
どんな本でも良いのですが、実際にHTMLを書くという課題があるような本がオススメです。
こちらの書籍もそうですが、実践することで身につきますので、作業を実際にやってみることが大事です。
Webサービスで学ぶ
他にも、プログラミングを学習できるWebサービスを使って無料で学習することもできます。
昔、実際に使っていたのですが、ドットインストールはプログラミングを学習するWebサービスとして有名です。
少し発展した内容を学習するためには月額制のプレミアム会員になる必要がありますが、基礎的なHTMLは無料で学習できます。
書籍にしてもWebサービスにしても、HTMLの概要を掴めますので、自分にあった学習方法で実践してみましょう。
あれば良いレベルのプログラミングスキル
次に、Webマーケターがスキルとして習得していると良いレベルのプログラミングスキルは以下です。
CSS
JavaScript
それぞれどんな言語か
・CSS
CSSは、WEBサイトをデザイン・装飾するためのプログラムで、HTMLと一緒に利用することでWEBサイトの見栄えを良くしたり、最近では当たり前になっているレスポンシブ・スマホ対応もCSSで行なわれています。
・JavaScript
JavaScriptは、WEBサイト上でプログラムを使ってサイトをより動的にする際に利用されています。装飾的な部分だけではなく、問い合わせフォームやアンケートなどの入力フォームの制御などもJavaScriptです。
また、JavaScriptは使いやすい言語で長く高い人気を誇っており、Webブラウザ上の動きに収まることなく、サーバーサイドの構築ができるNode.jsやスマホアプリ開発ができるReact Nativeなど、JavaScriptを学ぶことで出来ることが非常に広く広がっていることも特徴です。
ブログ・オウンドメディアに密接した言語
CSSもJavaScriptもWebサイトを動かすにあたって必要な技術であり、Webマーケターの業務に密接に関わっています。
オウンドメディアの運営において、ワードプレスなどのCSMを利用しているのであれば、基本的にWebマーケターが直接これらを触って編集する必要はありません。
ただし、例えば、Webサイトの表示速度は検索順位の上位化においても非常に重要な要素ですが、CSSやJavaScriptがどういったものなのか原理を理解していることで作業を依頼するエンジニアとのコミュニケーションは非常に楽になります。
また、簡単なものであればエンジニアの力を借りなくても自分で業務を進めるということも可能になります。
実際に自分がプログラミングするためではなく、WEBサイトがどう動いているのかを理解したり、エンジニアが行なっている作業を理解するために、一度さらっと勉強しておいても良いです。
できると活躍の幅が広がるプログラミングスキル
最後に、できるとできると活躍の幅が広がるプログラミングスキルとして以下をご紹介します。
PHP + MySQL
Ruby・Ruby on rails・Python 他
それぞれどんな言語か
サイトの表示速度改善やユーザーの利便性向上のため、先ほどのCSS、JavaScriptに加えて、PHPなどプログラムの改修が必要な場合も多くあります。
ワードプレスを動かしているPHPはWebマーケターがブログ・オウンドメディアを運用する中で目にすることが多い言語と言えます。
PHPは比較的古くからあり、これからも色々なフレームワークが出てきていますが、多くのWebサービス・WEBサイトで採用されていて、今もなおニーズの高い言語だと言えます。
Ruby・Ruby on rails・Pythonあたりは、現代のWebサービスではよく利用されており、これらのうち1つでも一通りのサービスが作れるレベルになっていれば、プログラマーとして十分仕事をしていくことができます。
エンジニアとのコミュニケーションがスムーズに
それぞれの言語がどんな特徴があるのか、さらっと理解しておくと、エンジニアとの会話がスムーズになり、Webマーケティングの業務も進めやすくなります。
見た目では簡単そうなことも意外とプログラム側の処理は複雑だったり、逆に複雑そうに見えて一般に公開されているソースコードを使えば簡単に実装できたりするのが、プログラミングです。
プログラミングを一度やっておくと、新しいサイトを立ち上げる時のエンジニアとのコミュニケーションがスムーズにできたり、開発を外注する際の見極めができ無駄に費用をかけずに済むといったことができます。
プログラミングが役に立つ将来的な可能性
実際、Webマーケターになって活躍していく上で、これらの言語を使えるようになる必要はないのですが、将来的な部分では、プログラミングができると活躍のシーンが広がる可能性もあります。
データサイエンティストという職種が増えていきていますが、Webマーケティングの領域においてもユーザー行動のビッグデータをAIを使って分析するといったような、よりエンジニアリングに近い改善活動が増える可能性があります。
Webマーケティングスキルとプログラミングスキルどっちが重要か
Webマーケティングスキルとプログラミングスキルどっちが重要かということについて解説をしていきます。
結論を言うと、Webマーケティングとプログラミングだと実際に行う作業の内容が全く違うため向き不向きがあり、人によってはWebマーケティングスキルの方が向いていて、人によってはプログラミングスキルの方が向いていると言えます。
Webマーケティングは、絶対にコントロールできないGoogleの検索アルゴリズムとの対話を続けて終わりなき改善を続けることが楽しい人がいる一方で、プログラミングであれば全てを自分でコントロールでき全能感を感じることが楽しい人もいます。
重要性と言う意味では、どちらもニーズが高く、今後も求めらられるスキルと言えるでしょう。
そして、知識やスキルが陳腐化していくので学習をし続けないといけないという点はどちらにも共通して言えることです。
Webマーケターがプログラミングスキルを学ぶ2つの方法
ここでは、Webマーケターがプログラミングスキルを学ぶ2つの方法を解説します。
独学
独学では、書籍で学んだり、オンラインでの学習サービスを利用して学習します。最近ではプログラミングを学習するオンラインサロンなどもあります。
コストを抑えることができる一方で、自己管理をしっかりしないとサポってしまったり、飽きて学習を続けなくなります。
自己管理して、意欲的に学習が続けられる人には独学が良いでしょう。
プログラミングスクール
私自身は、プログラミングスクールのデジタルハリウッドに通って学習をして、スマホアプリ開発者としてフリーランス独立をし、その後、会社経営をし、Webマーケターになったという経緯があります。
プログラミングスクールに通うことで、一気に学習を進めることができました。
今では全くプログラムを書くことはないので、実際に作業をすることはできませんが、言語の特徴や原理は理解しています。
まとめ:webマーケターにプログラミングは必須ではないが出来れば強い武器
この記事では、Webマーケティングとプログラミングについてご紹介しました。
両方ともニーズの高いスキルですが、インプットをするだけではなくアウトプットをして身につけていく必要があります。
また、Webマーケターがプログラミングスキルを身につけることは武器になります。
HTMLだけではなかく、CSSやJavaScriptぐらいまではざっくり知っておくと便利ですし、さらに興味を持てばPHPなどの開発言語にもトライしてみるのがよいでしょう。