Webマーケティングとは何か?簡単に解説
そもそもマーケティングとは何か説明すると、「商品が売れる流れを構築すること」です。
- 競争優位性のある商品を作る
- どう伝えるのかメッセージを考える
- 集客から購入までの流れを設計・実行する
より効率的に、消費者が求めている商品が行き届くようにすることです。
マーケティングの理想は、売り込みをかけずとも商品が売れる流れができることとされています。
Webを中心に行うマーケティング
Webマーケティングとは、先ほど説明した「マーケティング」を、Webを中心に行うものです。
つまり、Webを活用してより効率的に、消費者が求めている商品が行き届くようにすることです。
主に、SNS、ホームページ、インターネット広告などを用いて行われます。後ほど詳しく解説しますが、Webマーケティングは近年重要性が増しています。
また、以前Webマーケターの将来性についてブログを書いていますので、そちらも併せてご覧ください。
Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い
Webマーケティングと似た用語に、デジタルマーケティングがあります。両者の違いは、マーケティングの対象として扱う範囲です。
Webマーケティングは、Webを中心に行うマーケティングと先ほど述べました。つまり、WebマーケティングはWeb上で完結するマーケティング手法と言えます。
一方デジタルマーケティングは、Web上に限らずスマートフォンのアプリで得られた情報など、デジタルで得られるあらゆるデータやタッチポイントを活用します。そのため、Webマーケティングよりも広い範囲がマーケティングの対象となります。
Webマーケティングがビジネスに重要な2つの理由
Webが身近な存在となった
近年、Webはますます身近な存在となっています。経済産業省が取りまとめた、
電子商取引に関する市場調査によると、令和元年度の日本国内の消費者向け商取引市場規模は19.4兆円、企業間商取引市場規模は353.0兆円となっています。
商取引市場規模は拡大を続けており、情報収集や購入などのプロセスにおいて、Webが用いられる機会が増えていると言えます。
経済産業省:電子商取引に関する市場調査の結果
商品の認知も、かつてはマスメディアの広告や報道だけだったのが、Web広告やSNSなどで、商品を認知して比較し、購入することまで可能となりました。
スマートフォンの普及で、よりWebを用いることが容易になっています。
効果が測定しやすい
Webマーケティングは、各施策の効果を数値で評価することが容易です。例えば、Web広告が何人の目に触れたか、何人から問い合わせが来たか、何人が購入したかなど、数値で評価できます。
また、Web広告では、性別や年齢などで絞った特定のユーザーに向けて広告を出すことが可能です。特定のユーザーに向けて広告を出すことで、ターゲットごとにより精確な効果の測定を行うことができます。
このように、効果が測定しやすいため、次回以降に行う施策の改善がやりやすくなります。また、効果が出ていると証明できれば、予算が確保しやすくなります。
Webマーケティングの歴史
インターネット黎明期(1994~1999):Web広告
1994年に、アメリカ最大の電話通信会社であるAT&Tがオンライン雑誌に初めてバナー広告を掲載しました。これがWebマーケティングの始まりと言えます。
当時はGoogleやYahooのような検索エンジンはなく、雑誌などに掲載されたアドレスからサイトにアクセスする必要がありました。つまり、プレスリリースなどを行い、TVや雑誌などで紹介されてホームページが認知される必要がありました。
ロボット型検索エンジン台頭期(2000~2002):SEO
1990年代後半に、検索エンジンが登場しました。
当初はWebサイトの運営者が登録しないと検索エンジンに表示されない「ディレクトリ型検索エンジン」しかありませんでしたが、1998年にGoogleが、該当するサイトを自動的に探し出して検索結果を表示する「ロボット型検索エンジン」を発表。
これにより、検索結果の上位に表示されることの重要が増し、SEO(検索エンジン最適化)という概念が誕生しました。
ブログ・SNS隆盛期(2003〜2009):バイラルマーケティング
2000年代から、Webは個人にも普及が進みました。この頃からブログが普及し出し、情報発信ツールとして活用する施策が増えてきました。
また、ブログの普及からしばらくして、SNSの普及が始まりました。facebook、twitter、mixiなどのSNSは、当初はビジネスで利用されることはありませんでした。
しかし、次第にSNS上に自社や自社ブランドのアカウントを設け、ユーザーとのつながりから集客を狙う手法が一般化してきました。
スマートフォン台頭期(2010~):コンテンツマーケティング
2007年に初代iPhoneが誕生すると、2010年代にはスマートフォンが一般的になってきます。これにより、ますます人々にWebが身近なものとなってきました。
また、スマートフォンの普及により、コンテンツの閲覧が容易になりました。そのため、顧客がもつ悩みを解決できるコンテンツを掲載した、ブログ型のオウンドメディアを運営し、そこから集客を図る手法が確立されてきました。
また、パソコンでもスマートフォンでも見やすく表示する「レスポンシブデザイン」という手法が広がりを見せています。
Webマーケティングを行う4ステップ
Webマーケティングの戦略を考える
①ユーザーを考える
まずは、そもそもどのようなユーザーに自社商品を使ってほしいか考えることからスタートします。具体的に考える内容は、
- 商品を購入することでどのような悩みを解決したいか、何を実現したいか
- 年齢、性別、年収、家族構成
- どのようなメディアから情報を得ているか(ブログ、SNSなど)
- 1日の過ごし方
BtoBの場合は、以下の内容も考慮する必要があります。
- 業界の規模、業種
- 担当者の役職
- 決裁者
対象となるユーザーを調べて考えることで、Webマーケティングにおいて優先して取り組むべきメディアは何か、どのようなコンテンツを出していけばいいか分かってきます。
②競合を確認
次に、ユーザーにとって商品の比較対象となる、競合を確認します。Web上で競合を確認する場合は、実際にユーザーが使いそうな検索ワードを実際に検索エンジンを使って検索します。
検索結果に表示されるサイトは、競合相手になる可能性が高いので、サイトを開いてどのような商品を提供しているか確認します。競合といっても、必ずしも同業他社ばかりとは限りません。検索することで、自分では気づかなかった競合が存在することに気づくかもしれません。
また、競合がSNSのアカウントを取得している場合、SNSのアカウントも確認することを勧めます。ユーザーとどのようにコミュニケーションをとっているかも重要なポイントです。
③自社の強みと課題を確認
①、②のプロセスを経た後、自社の商品を確認し、WebやSNSでどのように発信されているか振り返ります。
自社の商品を競合のそれと比較することで、自社の強みや課題を客観的に分析することができます。
自分たちは強みと思っていた部分が大した強みになっていない場合も、反対に自分では当たり前と思っていたことが実は競合と比較して大きな強みとなる場合もあるかもしれません。
①〜③のプロセスを経て、
- 誰に対して
- どのように
- 何を
伝えて、販売していくか戦略を立てていきます。
戦略を立てたら、次に具体な施策を行っていきます。
集客施策
Webマーケティングにおいて、施策の第一歩は集客です。この記事では、6つの集客施策を紹介します。
SEO
SEO(検索エンジン最適化)とは、検索エンジンにおいて、自社サイトがより上位に表示されるように、コンテンツを最適化していくものです。検索エンジンで上位に表示されることで、ユーザーの目に留まりやすくなり、アクセス数の増加が期待されます。
リスティング広告
ユーザーが検索したキーワードや閲覧しているWebページと連動して、特定の広告を表示させるものです。ユーザーのニーズ、関心に合わせて広告を表示することができるので、即時的な広告効果が期待できます。
アフィリエイト広告
Webサイトやブログなどにリンクを掲載して、そのリンクから訪れたユーザーからコンバージョンを獲得した場合に報酬が得られるタイプの広告です。コンバージョンを獲得して初めて広告料が発生します。主にBtoC向きの手法です。
SNS広告
twitterやfacebookなどのSNSに広告を掲載するものです。SNS利用に際してユーザーが登録したプロフィール情報を基に、ターゲットにあった広告を出すことができます。また、ユーザーにより広告を拡散してもらうことも期待できます。
アドネットワーク広告
複数の広告媒体を集めた広告配信サービスによって、複数のWebサイトで同時に広告配信するものです。一括契約で複数の媒体に広告を出すことができるため、契約の手間が大幅に減ります。
リターゲティング広告
あるWebページで表示した広告を、同じユーザーが訪れた別のWebページにて表示するものです。ユーザーへの訴求力や認知度を高める効果が期待できます。BtoB商品など一度Webサイトに訪れただけで購入するケースは少ない商品に向いています。
接客施策
集客しただけでは、Webマーケティングが成功したと言えません。ユーザーに対して、商品により興味をもってもらい、問い合わせや購入につなげる必要があります。そのための施策が、接客施策です。この記事では、2つの接客施策を紹介します。
LPO
LPOとは、ランディングページを改善して効果を最大化させるものです。ランディングページとは、検索結果や広告からユーザーが最初にアクセスするページのことです。また、特定のユーザーに向けた商品の広告ページのことをさす場合もあります。
多くの人が最初に目にするページであるため、ランディングページを改善することで大きな成果を得られることが少なくありません。
EFO
EFOとは、入力フォームやカートを改善して、ユーザーの離脱を防ぐ施策のことです。
入力フォームやカートは、購入や問い合わせといったゴールの目前にあるため、改善することでコンバージョンに大きな影響を与えます。
どのような情報を記入してもらうか、どのようなデザインにするかなど、様々な改善要素があります。一般には、余計な入力項目を減らしたり、プルダウンやチェックボックスを取り入れることで入力の手間を省くことが良いとされています。
再訪促進
一度商品を購入したユーザーには、良好な関係を継続的に構築してリピーターになってもらうことが望ましいことです。それを促すのが、再訪促進です。
新しいユーザーを獲得するには、既存のユーザーと比較して5倍ものコストがかかると言われています。
また、最近はSNSやブログにより、個人が商品や会社の評判を発信することが容易になっています。購入の際に、個人の評判を参考することも珍しくありません。
そのため、ユーザーと良好な関係を築くことが一層重要になっています。
Webマーケティングに有効なツール4つ
CMS
プログラミングの知識がなくとも、簡単にWebサイトを作成・更新できるツールです。Wordpressが全世界のCMSのうち約60%と大きなシェアを占めています。他にも、WixやJimdoなどのツールがあります。
Webマーケティングでは、新製品の情報やキャンペーン情報などタイムリーな情報を発信したり、アクセス解析結果を元にWebサイトを改善するなど、Webサイトの更新を基本業務として行っていく必要があります。
Webサイトを更新する際には、ただ単に更新、運用するだけでなく、お問い合わせの管理や効果測定も行う必要があります。CMSの中にはそれらができる機能を有しているものもありますので、日々のWebマーケティング活動の負担を大幅に軽減してくれます。
MAツール
顧客開拓において、マーケティング活動状況を可視化・自動化してくれるツールが、MA(マーケティング・オートメーション)ツールです。
新規顧客を獲得するには、それぞれの見込み客がどのようなことに興味関心をもっているか、どのような行動をとっているかを明らかにし、それに対して最適な情報を、適切なタイミングと方法で提供していくことが必要です。
しかし、そのためには多くの人員が必要で、必要性がわかっていても手が回らないものです。そこで、マーケティングを効率化、自動化するために開発されたのがMAツールです。
見込み客のリスト作成、メール配信、営業への通知、見込み客の分析など、様々な部分でMAツールが活用されています。
アクセス解析ツール
自社のWebサイトにおいて、ユーザーからのアクセス状況を分析することは、Webサイトの効果測定や改題の抽出に不可欠です。
そこで、有効活用したいのが、アクセス解析ツールです。アクセス数だけでなく、Webサイトにアクセスしたユーザーがどのような行動をとったかを解析して、コンバージョン率をアップさせるための施策を立案できます。
代表的なアクセス解析ツールはGoogle Analyticsで、多くのWebサイトや書籍で使い方が解説されています。また、Google Analyticsのデータを自分で分析するのは手間だと感じる方は、アクセス解析結果を自動で分析して改善策を提案してくれるツールもあります。
ABテストツール
ABテストとは、先ほど述べたLPO(ランディングページ最適化)で主に用いられる手法です。ほぼ同じデザインのコンテンツを用意し、ボタンの色、キャッチコピーなどコンテンツの一部だけを変えた二つのうち、どちらがユーザーにとってほしい行動をとってもらえるかテストするものです。
ABテストを行う時は、変更する箇所は一箇所だけにすることが基本です。複数の箇所を変更して比較すると、原因と結果の因果関係がわかりづらくなります。
また、ABテストの仮説や目的をしっかり設定しておくことも大事です。まずは仮説をもって2パターンを用意して、どの数値に違いが出るかテストの目的を明確にします。
Webマーケティング担当者の仕事とは?
冒頭に、「Webマーケティングとは、Webを活用してより効率的に、消費者が求めている商品が行き届くようにすること」と書きました。Webマーケティング担当者の仕事は、それを実現するためにWebサイトやSNSなどを運用し、分析しながら様々な施策に取り組んでいくことです。
多くの場合、Webマーケティングの仕事全てを一人で行うことは不可能です。そこで、車内はもちろん時には社外の人や協力会社とも連携して仕事を行っていきます。
Webを中心としたコミュニケーションのハブとしての役割を果たしながら、目標に向けてマーケティング施策をスムーズに進行させていくことが、Webマーケティング担当者には必要なのです。