Webマーケティング業界への転職は未経験でも可能
結論を言うと、Webマーケティング職の経験が無い方でも転職することはできます。
ここでは、どのような企業を狙っていくのがいいのか、年齢別の転職戦略などをお話していきます。
Webマーケティング業界へ転職するには
1.いきなりWebマーケティング職(即戦力)としての採用
2.Webマーケティング職のアシスタントとして採用
3.Web広告代理店の営業職としての採用
の3つのパターンがあります。
順番に見ていきましょう。
即戦力としての採用
中途採用・未経験で即戦力のWebマーケターのポジションとして採用されるのは、現実にはなかなか狭き門であると考えられます。
それでも採用される可能性のある人材の特徴としては以下の通りです。
・自分でブログ、SNS、広告運用などの実績がある
・スクールやカリキュラムなどを修了した実績がある
・ベンチャー企業でマーケター職以外にもたくさんの仕事を任せたい
特に名の通った大企業は新卒から自社でマーケターを育てるか、即戦力として外部からマーケティング人材を引っ張ってくるパターンがほとんど。
自分は上記に当てははまらない! と思った方でも大丈夫。
以下のようにアシスタントや営業職として実績を積むという手もあります。
アシスタントとしての採用
まずは自社にWebマーケターがおり、そのアシスタントとしての採用もあります。
会社としてもゆくゆくは一人前のマーケターに育って欲しいという意向の元で働く形になります。
すでに先輩や指導してくれる人がいるので、就職した時もやりやすいでしょう。
その代わり、給与水準は抑えめになる傾向にあります。
Webマーケターは徐々に職種として認知されているとはいえ、まだまだ席が少ない状態ですので、一度キャリアを積むためと割り切って転職してしまうのも手です。
マーケティング業界へ潜りこんだあとに、その会社で昇進を狙うもよし、キャリアを積んで転職を図るのも手です。
経験があるWebマーケターは年収も高いです(30歳で1000万円!なんて求人もあります)。そうなると夢が膨らみますね。
Web広告代理店の営業職としての採用
Web広告業はコロナで対面セールスが難しくなっている中で、どの企業もチカラを入れており今後も成長が期待できる分野です。
営業職は未経験からでも採用が多く、すでに営業や渉外の経験があったり、営業事務などの経験があると選考でも有利になります。
営業職も新規開拓が必要な職種から、電話アポや営業アシスタントに近い職種まで様々ですので、求人情報をよく読んでから応募しましょう。
面接に進む段階で「自分がもし入社したら具体的にどのような仕事をするのか」などを確認しておくのもとても大切です。
第二新卒であればポテンシャルで採用される
第二新卒、20代であれば未経験でも今後の伸びしろに期待して採用される場合も多くあります。
企業としても、優秀な新卒はライバル企業が多いので中々とりづらいが、社会人としての基礎ができている第二新卒を採用したいという意欲ある所があります。
まだお若い方は「Webマーケターになりたい!」と思った瞬間を好機ととらえ、積極的に転職活動してみてはいかがでしょう。
30代以上は経験との掛け算が必要
ポテンシャルや伸びしろ等で採用される20代の転職ですが、30代未経験からのWebマーケターへの転職は少し事情が変わってきます。
何もない真っ白な状態からの転職はさすがに厳しく、そこで他業種での専門性との掛け算が重要になってきます。
Webマーケティング経験が浅くても、特定の業務に関わる分野に造詣が深く、商品の売れる流れや顧客の購入心理を理解していることが有力なアピールにつながります。
例)
不動産営業の経験→不動産系企業の社内マーケター
イオンなどの流通・食品担当→食品系企業のマーケター
占い師などの経験→占いコンテンツ会社のマーケター
Webマーケティングの会社を選ぶポイント
大きく3つに分けて会社の種類をご紹介します。
IT総合企業
サイバーエージェント、DeNA、電通 など一度は耳にしたことがある大手企業。
その分、入社難易度も跳ね上がり、新卒か経験者でないと募集していない所も多くあります。
Webマーケティングの世界は中小ベンチャーがたくさんあり、社員100人以上であれば十分に規模としては大きいといえます。
SEOコンサル、コンテンツ作成会社
SEO(Googleなどの検索上位に表示するための手法)のコンサル会社や、実際に企業の運営ブログなどをお手伝いしている会社です。
バズ部、フェレット、WebライダーなどがSEO・コンテンツ関連では有名です。
広告運用だけでなく、SEOについても長けているとWebマーケターとしては一歩抜きん出た存在となれます。
また、将来独立して自分のメディアを運営したい、副業ブログアフィリエイトで稼ぎたいと野望を抱いている人にももってこいの業界です。
Web広告運用系
Google広告、Yahoo広告、FacebookやInstagramの広告。取引先の広告を運用しつつ、数値をチェックし最適化するという業務内容です。
求人の数としては多めで、クライアントを獲得してくる営業職での募集もあります。
取りあえずWebマーケティング業界に潜り込んで実績を積みたい!という方にもオススメです。
未経験から事業会社への転職は厳しい
Webマーケターになる方法としては、上記の3種の会社の他に事業会社のマーケターになるという手もあります。
例を挙げると、トヨタのWeb広報担当、JR東日本のWeb戦略担当、などといった具合にメーカーや一般企業内でWebマーケティングを担当します。
ですが大手メーカーなどのWebマーケターになりたい場合は、未経験ですとほぼ募集がありません。
大手企業は自社で新卒から営業・品質管理などを経てマーケターを育成するか、即戦力を採用するためです。。事業会社を狙う場合はいったん広告運用などの会社に潜り込んでそこから実績を積むのが良いでしょう。
Webマーケティング業界への転職の倍率は?
Webマーケターの実際の求人倍率はどれくらいなのでしょうか?
転職サービス「doda」の2020年9月の転職求人倍率レポートを参考に見てみます。
Webマーケターに特化したデータはありませんが、転職市場全体としての有効求人倍率は1.61倍。(前年同月比-1.08倍)
IT・通信業界は4.90倍。(前年同期比-2.95倍)
職種別で見るとWebマーケターの中でも上位職種を含むクリエイティブ系は0.99倍となっています。
転職市場が活況だった2019年に比べるとやはりコロナの影響もあり、求人倍率は下がっていますが、それでもWebマーケターの属するIT業界は比較的求人が多いと言えるでしょう。
Webマーケティング業界へ転職するのに必要なスキル
では、実際にWebマーケターになるのにはどのようなスキルが必要になるのか、資格は必要なのか、などについて見ていきましょう。
Webマーケターに求められるスキル
交渉力
1つ目は交渉力。顧客から注文をもらう時の単価や期間、具体的にどのような施策を行うかのやりとりが必要です。
またWebマーケターの仕事は広範囲にわたるので、Webサイトの作成や記事の執筆、デザインなどを外注することが多くなります。
外注先とも、納期はいつなのか、どのような品質で納品してもらうのかなどをきちんと交渉できる力が必須となります。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力というと少しあいまいな書き方になってしまいますが、中でも「消費者がどのように商品を買うのか」相手の立場を想像する力が必要です。
Webマーケターとは「商品やサービスが売れる仕組みを作る」仕事。
特にBtoC向けのマーケターは、顧客のどのような悩みを解決したらいいのか、どのような場面で商品を必要としてくれるのか、適切なアフターフォローはなど、画面の向こうの消費者を想像することが大切です。
ある意味、妄想力と置き換えてもいいかもしれませんね。
向上心
Webマーケテイング業界はとても技術の進歩が早い業界です。
例えばSEOの施策なら、4.5年前までは「とにかく海外からでもサイトに被リンクをたくさん当てる、なんなら被リンクをお金で買う」などという方策がまかり通っていました。
2020年現在では、なんでもかんでも該当サイトにリンクを集めるのは、必ずしもよい施策とは言えなくなっています。
Googleなどの検索エンジンも度重なるアップデートで、より検索ユーザーにとって便利なもの、そして多様性を求めるようになっています。
他にもSNSや海外やライバル企業の情報など、マーケターにとって学ぶべきことはたくさんあります。
最新の情報をキャッチアップするのが好きな人、継続して勉強するスキルがある人はWebマーケターとしてやっていけるでしょう。
Webマーケターに資格は必要か?
結論からいうと「Webマーケターに資格は不要」と考えています。
資格を取るよりも「実践・実績」が大切。
マーケティングの世界では、医師や弁護士などのように「その資格がないと仕事ができない」なんてことはありません。
資格の取得に時間を使うくらいなら、個人レベルであっても実績を作ることをおすすめします。
個人でしたら、ブログでPV数を上げる、アフィリエイトの成約数を上げる、SNSでフォロワーを増やすなど、自分で仮説を立て、行動し、改善を続ける「PDCAサイクル」を回していくことが、転職などの面接でも役に立ちます。
スクールに通った方がいいの?
必ずしもスクールに通う必要はないと考えています。
上記の資格と同様に、肩書よりも実績の方が大切だからです。
Webマーケティングのスクールに学べばすぐにどこでも活躍できるマーケターになれる!というわけではなく、常にスキルアップしていく努力が必要です。
一方でスクールに通うメリットもあります。
・独学は回り道が多いので、体系的に学べる
・カリキュラムが決まっているのでサボりにくい
・転職支援サービスがあるスクールがある
の大きく3点です。
無料体験やオンライン相談会を行っているスクールがほとんどなので、気になる場合は一度相談してみてから受講するかどうかを決めても遅くはないでしょう。
独学でも転職は可能!
未経験からWebマーケターになるのには独学でも転職は可能です。
目安として
・個人ブログなら月5,000PV以上
・Twitter、Instagramなどのフォロワー数1,000人以上
・You Tubeチャンネル登録者数1,000人以上
上記のうち一つでもあれば、転職面接の際の実績として一応語ることはできます。
その際は単なる自慢話で終わらせるのではなく、どのような点に気をつけて運営をしていたか? どのようなことを考えて改善をしていたか? など自分の体験を入社してからも再現性のある出来事として語ることが大事になってきます。
Webマーケティング業界へ転職する際の志望理由
「Webマーケティング業界で働いたこともないし、上手く志望理由が書けない、面接で語れない」そんなお悩みをお持ちの方も多いと思います。
ここでは志望動機を練るポイントや面接でのテクニックについて述べていきます。
未経験者必見!志望動機はこう書け!
志望動機はストーリーのように一連の流れを持って書くことが大切です。
・自分の過去の経験、強みなど
・なぜWebマーケティング業界を志望するのか?
・その中でなぜこの会社なのか?
あなたはなぜWebマーケティング業界に興味を持ったのでしょうか?
将来性、稼げそう、身近な人が活躍している、自分に向いていそう?
自分の適正・強みについてもしっかりと掘り下げておきましょう。
前職のどのような場面・実績として活かすことができたのか、語れるようにしておきましょう。
インターネットで情報収集、身近で志望業界で働いている人がいれば会って話を聞くのもアリです。今でしたらオンラインなどで気軽に話を聞くこともできますね。
自分の経験をしっかりと落とし込んで、なぜこの会社で働きたいのか、熱意を伝えましょう。
「転職活動は恋愛に似ている」とよく言われます。
相手(企業)をしっかりと研究し、自分に合っているのか?
しっかりと相手に語れるようにしましょう。
面接でよく聞かれる質問
面接での質問は広範囲にわたりますが、人事が見ているキモの部分はとてもシンプルで、
・うちの会社で長く働いてくれそうか?
・うちの会社で活躍してくれそうか?
のこの2点です。
「転職理由を教えてください」
マイナスな面はほどほどににして、最後はキャリアアップしたい、自分のやってきたことを活かしたいなどプラスの言葉で締めるようにしましょう。
前職のグチ、同僚の悪口などをつらつらと述べてしまうと、「うちの会社に入っても文句が多くなるのかな……」と思われてしまいます。
「Webマーケティング業界を志望している理由を教えてください」
ヤマヒ公式サイトやYou Tubeなどで学んでいただいたWebマーケターという仕事のやりがいや将来性。さらに自分の適性なども含めて語ることができるとよいでしょう。
「今まで仕事での成果を挙げることができた要因について具体的に教えてください」
職務経歴書で何らかの成果をアピールしていることと思います。
きちんと要因分解しておきましょう。もし就職できた場合はこのように活かせるなど、再現性をもって語ることが大切です。
「仕事で苦労した時はありますか?どのように乗り越えましたか?」
もちろん会社人生では上手くいかないこともあります。苦労した原因をきちんと分析して失敗した経験を次はこのように活かそうと実践しています。などとプラスの言葉でまとめられるようにしましょう。
逆質問を上手く活用しよう
とはいえ、志望する企業があまりネット上での発信などに力をいれてなくて、会社や事業の内容がよくわからない!ということもあると思います。
面接まで漕ぎ着けることができたら、面接中の「逆質問」を上手く利用して次の面接の志望動機に活用することができます。
逆質問とは、面接の主に最後の方に聞かれる「何か(求職者側から)弊社に対して質問ありますか?」ってやつですね。
「私がもし入社したら……」というフレーズを上手く利用するのがコツ。
他にも
「御社にとって大事にしている価値観とは何ですか?」
「(面接官の)〇〇さんがこの会社を好きな理由はなんですか?」
など、逆に企業をアピールしてもらうような質問も有効です。
仕入れた情報を次につなげましょう。
「前回の面接で人事の〇〇さんから△△なお話をお伺いしてさらに志望度が上がりました」
など、強力にアピールすることができます。
Webマーケティング業界へオススメの転職エージェント
Webマーケティング業界に転職するにあたり、転職エージェントを使うのも一つの手です。
転職エージェントを使うメリットとしては
・非公開求人にアクセスできる
・キャリアアドバイザーから業界知識やキャリア相談をしてもらうことができる
・職務経歴書や応募用紙などを添削してもらえる
です。
一方、デメリットは
・企業側に採用コスト(内定者の年収の約30%)がかかるため、エージェント経由での採用を嫌う企業もある
・エージェント担当者によって知識や経験に差がある
・エージェントにもノルマがあるので、意に沿わない求人を紹介される可能性もある
リクルートエージェント
公開求人数約10万件、非公開の求人も合わせると20万件以上!
リクルートエージェントは業界最大手の転職エージェントです。
リクルートの各企業との太いパイプがあるため、未経験の転職でもあなたの強みをしっかりと企業にアピールしてくれます。
求人数はトップクラスですので、幅広い企業の求人と出会うことができます。
doda(デューダ)
リクルートエージェントと並ぶ業界大手の転職サービスです。
求人を探して自分で応募する「転職サイト」としての使い方と、キャリアスタッフと面談して一緒に転職戦略を練り上げていく「転職エージェント」としてのどちらの用途も兼ね備えた総合転職サービスです。
リクルートには掲載されていない求人もあるため、同時に登録して使い倒すのもいいでしょう。
最初から「IT・Web業界での早期転職を考えている」と伝えておけば、IT業界に詳しい担当者をつけてくれる可能性が高いです。
上場企業から中小企業、そしてスタートアップなど掲載されている求人が幅広いため、とにかく色々な求人に当たってみたいという方におすすめです。
ワークポート
ワークポートはIT・Web業界に強い転職エージェントです。
IT分野の求人数はおよそ9000件。プログラマーやエンジニア他、Webマーケターの求人もあります。
未経験可の求人も多くありますので、まずはWebマーケティング業界に飛び込んでキャリアを身につけたいというあなたにもピッタリです。
WEBマーケティング業界へおすすめの転職サイト
それではWebマーケティング業界へ転職するのにおすすめの転職サイトをご紹介していきます。
green
greenはIT・Web系の企業の特化した転職サイトです。
Twitterや音声メディアvoicyでも「IT・Web業界に強い転職サイトならgreen!」と知名度が上がってきていますね。
Webマーケター以外にもプログラマー、エンジニア、IT営業、IT系企業の総務など、ITに特化した求人がたくさんあるので、今後の伸びしろを見据えてまずはWeb業界へ転職したいという方は一見の価値ありです。
ベンチャー企業やスタートアップの企業の求人が多めで、首都圏(1都4県)の求人がメインとなっています。
自分のペースで求人を探せる他、登録しておくと企業からスカウトがくる場合もあるので、今すぐでなくても転職を考えている方はまずは登録しておくとよいでしょう。
こんな人におすすめ
・首都圏で求人を探している
・業種がある程度絞り込めている
・IT系の人事からのスカウトを受けてみたい
WANTEDLY
WANTEDLYは、転職サイトというよりは、企業と求職者をマッチングするビジネス系SNSを謳っています。
サイトに登録したあとで、気になる企業にいいねボタンなどでアプローチ。
スケジュールが合えば、実際にその企業で働いている担当者と会ってカジュアルに面談することができます。
採用面接とは異なりますので、仕事上でのやりがいや実際の仕事内容などを聞き出すよいチャンスとなります。
色んな人・企業と会って自分の仕事の軸の参考にしたい、どちらかというと時間がある若い人、学生向けでしょう。
一方で給与や待遇の記載がないので、左記を重視して転職活動を行う人にはやや物足りないかもしれません。
こんな人におすすめ
・カジュアルに面談したい
・時間があるので様々な企業で働く人に会って自分の軸を定めたい
・年収、待遇よりも「やりがい」を軸に転職活動をしたい
リクナビnext
リクナビnextは業界最大手の総合型転職サイトです。
20代・30代の登録者数は550万人。
世の中の転職者の約8割が登録しているといわれるサービスです。
とりあえず登録だけして、気分転換に求人を眺めるという使い方をしている人も多いですね。
働く場所も日本全国色んな場所の求人があります。
札幌、仙台、大阪、広島、福岡、など東京以外でもWebマーケティングの求人を探している人にはぴったり。
注意点としては「Webマーケティング」で検索をしても、実際はほとんどルートセールス営業に近かったりという求人もあるので、ある程度求人票を見る目も必要です。
こんな人におすすめ
・とにかく色んな求人をみたい
・首都圏以外でWebマーケターになりたい
・転職者向けの様々なコラムを読んで知識をつけたい